立地をどう捉えるか

●立地をどう捉えるか
京浜急行羽田線で京急蒲田駅の次の停車駅である椛谷駅で下車し、商店街を抜けると8棟368戸の萩中住宅がありました。プロローグでも触れた萩中住宅です。大田区の萩中については、仕事で現地に通うようになるまで、私はほとんど知りませんでした。
しかし、通い始めてみると商店街には下町のような活気があふれていて、近くには安くてうまい寿司屋やうどん屋、ハーブティの専門店があります。5分も歩けば多摩川の土手で、川面を眺めながらの散歩コースも最高と、このまちがすぐに気に入りました。
建替え後も、8割の方が新しい住戸を取得して戻って来たのも、このまちに強い愛着を感じていたからでしょう。
この萩中住宅の建替え事業では、200戸を超える住戸が保留床として外部の第三者に販売されましたが、購入された方のほとんどが地元に住んでいる人たちでした。
参加組合員として保留床を取得してくれた有楽土地は、かなり広範囲に新聞広告やチラシを配布したそうですが、最終的にマンションを取得したのは萩中のまちをよく知っている、地元に住んでいる商店主などの方々でした。
この結果は、立地というものに対するマーケットの評価と、実際にその立地の魅力を知る(魅力を感じる)層との間に大きなギャップがあることを示していて、非常に興味深いものでした。
その土地のよさを知る人にとってはぜひ住んでみたいと思わせる魅力的なマンションでも、その地域を知らない人に立地の魅力を理解してもらうのは容易ではないのです。

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